(浦崎先生)

「博多手一本】                   
「ヨーシャンシャンまひとつシャンシャンヨート三度でシャシャンシャン」
お馴染み
博多手一本、古くは武士が固い約束事をする時、いちいち誓紙と言うわけにはいかず武士の魂である
太刀の鯉口
を切りカチンと音を立てて納め誓うことが行われていました。


これが町人の間にも流行し手じめ(博多では博多手一本)と言うかたちに成りました。
博多の場合は氏神様のお櫛田さんに誓うといういわば神前の拍手の形で約束しました。
だから手一本は拍手の変形であり手一本を入れるときに両手を自分の肩幅以上に開くなと言うのは古老からの
言い伝えの真意なのです。


博多では手一本が入った後は一切異議申し立ては聞きません。
そのため喧嘩、いさかいを静めた後は必ず手一本、
結婚式でも手一本は欠かせませんね。

【左巻き右周り】
山笠の台をしっかりと締め上げてひずみが無いように八の字にかける縄を八文字(やつもじ)と言います。
山へかけられた勢い水が八文字を伝って山の足へ流れ地面との摩擦熱

冷やす役割
もしています。この八文字左重ねに締め上げられています。
左へ左へ回りながら重ねていくことが神事の作法なのです
松囃子の傘鉾の上の黄ねじり横綱も左巻きと決まっています。御所の天皇即位の御座所である高みくらも紫震殿の左側に置か
れていす。


神聖、清浄、尊厳など全て「左」を守っています。

しかし、山笠の動きはその逆で全てが「の」の字、時計回りに回ります。
故人に敬意を評する追善山笠、右から来て故人の家で手一本、左方向へ動き出す時も必ず右回りに一回転して左へ走り出します。
櫛田の清道、東長寺の清道、承天寺の清道すべて右回りです。
各地に建てられる全ての山笠は櫛田神社の方角が表になっているのもご存知ですか?

【祝い芽出度】
「祝い芽出た〜の若松さまよ〜」お馴染み博多祝芽出度、行事ごとに三番の歌詞が変
わるのをご存知ですか?
山笠期間は「さても見事な櫛田のぎなん、櫛田のぎなん枝も栄ゆりゃ葉もしゅげる」
ですが結婚式では「旦那大黒、ごりょんさんなえべす、でけた子供が福」と変わります。博多ならではのユニークさですね。


                                                              202.7.29 浦崎先生